学校図鑑
2025.06.07
令和7年6月4日 十文字中学校・高等学校 教育関係者向け説明会
令和7年6月4日
本日は、東京都豊島区にあります十文字中学校・高等学校の教育関係者向け説明会に参加してまいりました。
こちらの学校はジャングルジムからの合格実績はあるのですが(6期生)、進学者はまだ輩出できておりません。
本日の説明会は
(1)校長挨拶
(2)学校紹介
(3)進路探求
(4)入試概要
のテーマでお話がありました。
まずは、校長の横尾先生のご挨拶からです。
2021年春より就任されたということで、直接お話を聞くのは今日が初めてでした。
十文字の教育目標・育てたい力として掲げている①主体性の伸長、②基礎学力の徹底、③社会性の涵養の三本柱をもっと良くしていくために学校として、授業をもっと良くしていくことで、生徒の自走と学力向上を両立させていけるようにするというところと、探求活動の拡充、そして国際理解教育をさらに充実させることでさまざまな機会を与えたいと力強くおっしゃっていました。
毎朝10分行う自彊術体操や、さまざまな発表・探究の機会などで、入学前はおとなしめだった生徒もみんな元気で活発になれる、そんな環境の学校だという言葉が印象的でした。
次に副校長の綾部先生より学校紹介をしていただきました。
十文字中学校の教育目標の柱として一番最初にくる主体性についてのところですが、一人ひとりに「ここならいいんだ」という心理的安全性のある空間の中で自分らしさを発揮できる環境を学校がまず整えるところが前提となるということで、ゆとりをもった設計で過ごしやすい校舎といったハード面、ICT機器の導入や欠席時に授業をオンラインで視聴できる仕組みといったソフト面で後押ししていくとのことです。
また、十文字はとにかく発表する機会が多いということで、仲間のさまざまな意見を聞くことで多様な価値観に触れることができ、また、みんながやっているから自分も挑戦できるということで、先ほど校長もおっしゃっていたように入学前はどちらかというとシャイなタイプの生徒もどんどん変わっていくというお話は、説得力がありました。
体育祭や文化祭を主体的に運営するというところであったり、部活動や同好会、生徒会などでもこの主体性が涵養される機会となります。
全国レベルの水泳部、バトン部、サッカー部、マンドリン部や、珍しい部活動として歌劇部、能楽部などがあります。
パリオリンピックに出場し、ゴールを決めたなでしこジャパンの藤野選手が同校の卒業生で、学校のエントランスにユニホームが飾ってありました。
次に進路探究について、自己発信コース主任の飯島先生よりお話がありました。
探究については多くの学校で触れられるところでむしろやっていない学校はないのではないかと言えるところなのではないかというくらいですが、今まで参加したどの説明会よりも探究についての説明が長く、また個別的に成果が大きく変わってしまいそうなイメージがある探究について、6年の中でしっかり体系的にプログラムを組んでいく、また高校時に探究的な学びを深めて総合型選抜や学校推薦型選抜(公募型)を目指す「自己発信コース」を創設して学校全体で探究を重視していくというところは他校の探究との差別化なのかなと思います。
印象的だったのが、十文字探究DAYという新しい試みでこれは年に1回開かれる1日がかりのイベントで、中1から高2までの5学年の全生徒が自身の探究の成果をプレゼンもしくはポスター発表し、学年ごとの準グランプリ、そして午後には各学年の代表による決勝戦というようになっており、決勝戦は審査員による講評があります。
このイベントは外部に開かれているもので、私のような塾の人間も是非来てくださいとのことでした。
このように知らない人を前に話すという経験を多く与えることで、得られるものも大きいというお話には納得です。
だいぶまとめてしまったのですが、今日の説明会は具体的に生徒さん一人一人がどのような問いをたて、研究し、それが進学にどのように結びついて今大学で何を学んでいるのかまで詳しく教えてもらいました。
大学に目的意識を持って進学するというのは実は難しかったりもします。
中高時代の経験が明確な志望動機になるということは、そのまま本人が頑張って受験勉強を目指す理由となりますし、そのようなヒントを学校がたくさん用意してくれているというところはまさに私学を選ぶ醍醐味の一つなのではないかと再度思いました。
2024年度の合格実績については
国公立5名、早慶上理23名、GMARCH76名、4工大16名、3女子大32名、海外大10名ということで、近年主流となりつつある年内入試にも、そして、高校で特選コースを設けて大学入試に特化することで一般入試にも対応できるカリキュラムというところで、これはジャングルジムの過去の説明会の記事を読んでほしいのですが、かなり早慶上理、GMARCHの数字が増加しているのではないかと思います。
また、ひとくくりとされてしまいがちな海外大学についてですが、世界ランキングで京都大学に匹敵する大学や早稲田大学より上位に当たるとされる大学なども合格者が出ているとのことです。
詳しくは学校HPをご覧ください。
最後に入試概要について、入試広報部主任の松本先生よりお話がありました。
中学受験と高校受験のお話があったのですが、ここでは中学受験の内容のみレポートします。
まず、令和8年度入試より募集定員の変更があります。
令和7年度では180名の募集が210名と30名増加し、この増加分が
2/1AM 第1回
2/1PM 第2回
2/2AM 第3回
2/2PM 第4回
2/3PM 得意型
2/5PM 第5回
でそれぞれ5名ずつに割り振られます。
後ろの日程にも入試が続くことから第一志望の生徒にとってはもちろん、併願校としても組み合わせやすい形となっているものと思います。
令和7年度入試では、令和6年度入試に比べ
第1回 +20名
第2回 +85名
第3回 +17名
第4回 +64名
得意型 +97名
第5回 +99名
と大幅に志願者を増やしており、来年さらに志願者が集まるのか隔年現象に入っていくのか気になるところではあります。
英検を利用した入試ができたり、2科目・4科目入試はどちらか高い方が採用されることから4科が有利であったり、4科目の中から2科目を選択し、点数の高い方を2倍しもう一方と足して合否を判定する得意型の入試があったりと、幅広い受け皿で受験生を待っている、温かみのある学校だなと入試の仕組みからも感じることができます。
今まで参加したどの学校よりも探究に対する本気度が伝わった、そんな説明会でした。