学校図鑑
2018.04.25
2018年4月25日 鷗友学園女子中学校 入試報告会
鷗友学園女子中学校の入試報告会に行ってまいりました。
この学校は小田急線「経堂」駅から徒歩8分の静かな住宅地にあり、今年で創立83周年を迎える首都圏有数の進学校で、高校からの募集はなく完全中高一貫校です。地域的に埼玉県内の受験生が少なく在校生も各学年1〜2名程度ですが、所沢駅から1時間強で経堂駅に到着します。
最初は校長挨拶で大井正智先生の「鷗友学園の理念と教育」についてのお話でした。昨今、私立中学校高等学校の中には他校から校長を招くケースが多く見られますが、この学校ではずっと鷗友学園で教鞭をとってきた先生が校長職を務めるのが慣例になっているとのことで、伝統と実績を誇る学校ならではです。
続いて「新しい学びに対応する挑戦」というテーマで教務・学習指導総括部長の福井先生のお話を伺いました。伝統校・名門校でありながらも時代の変化に着実に対応していく姿がよく理解できました。むやみに新しいものに飛びつくのではなく先生方がじっくり吟味して、必要なものは大胆に取り入れていくという方針には共感を覚えました。
次は「2018年中学入試結果と大学合格状況」について教頭の大内先生が話されました。先生は昨年まで入試広報の責任者をしておられました。この学校は2月1日に第1回(募集人員約180名)、2月3日に第2回(募集人員約40名)で入試を行っています。第1回入試では、「①出願者数・受験者数ともに3年連続増加 ②昨年に比べてボーダーライン上に受験生が集中 ③合格者数を10名減らしたにもかかわらず入学者数は前年並み」の3点が挙げられました。第2回入試では「①受験者数が初めて300人を超えた ②1日受験者の再チャレンジ率が上昇(87.6%) ②再チャレンジ受験生の合格率・入学率がともに上昇(16.4%・92.8%)」の3点が指摘されました。
2018年度春卒業生進学状況は、国公立(30.0%)・早慶上理ICU(22.3%)・GMARCH(12.3%)・医歯薬看護芸術系などの単科大学等(17.3%)です。受験準備(浪人)が18.2%いますが、現浪合わせた合格状況は東大6(現役5)・京大4(3)・一橋4(4)・東工大6(4)・外語大7(7)・早稲田59(47)・慶應58(49)・上智48(36)となっており、1学年220名規模の女子校であることを考えればお見事と言うほかありません。
最後に各教科担当の先生から入試報告がありました。
国語(久保田先生)では入試でみたい力として「①受信する力・・・まとまった文章を読み、情報の整理をしたり、相手のメッセージを読み取ったりする力 ②発信する力・・・理解したものを再構成し、自分で表現する力」の2つが挙げられました。この学校の国語は全問記述形式となっています。
算数(新野先生)からは、入試問題は「大問8題程度・全問記述式」であり、2019年度入試でも「①出題形式は前年通り ②鷗友の定番(比と割合・平行四辺形・速さ)は出題する予定」とのことです。
社会(小早川先生)では「出題コンセプトと求める解答」について、「①基礎知識を問う問題 ②与えられた情報に自分の知識を組み合わせて答える問題」を出題し、「①要素が不足することなく入った解答 ②題意に沿った解答」を求めるとのお話がありました。
理科(伊藤先生)では、受験生に求めるものとして「①基本的な知識を使う力 ②情報を整理する力 ③考えたことを表現する力」の3つが挙げられました。学習する際に心がけてほしいことは「①基礎的な知識をしっかり身につける ②問題文を丁寧に読む習慣をつける ③自分が何をしようとしているのかわかるように整理して書く ④グラフは意味を考えながらかく」とのことです。