学校図鑑

2025.05.19

令和7年5月19日 明治大学付属世田谷中学校・高等学校 塾対象説明会

5月19日は京王線・京王井の頭線「明大前」駅より徒歩5分のところにあります明治大学付属世田谷中学校・高等学校の塾対象説明会に参加してまいりました。

今年度までは日本大学中学校・高等学校(男子校)として、2026年度より校名を上記に変更し文字通り明治大学の付属校、共学化となって新たなスタートを切る学校ということとなります。

私どもの塾がある所沢地域からだと少し通いにくいかなという先入観があったのですが、実際に学校に出かけてみたところ、新所沢〜明大前までが1時間と少し、明大前駅からは近く徒歩5分ほどで到着ということで、沿線の学校でジャングルジムから進学者がいる、
・法政大学→井の頭公園駅徒歩12分
・立教女学院→三鷹台駅徒歩2分 ※登校時間が8:05と早い
・國學院久我山→久我山駅徒歩9分
と比較しても、明大前が吉祥寺から急行で10分ということを考えると、そこまで大きな差はないのかなと思います。

面白いなと思ったのが、新所沢から行く場合
新宿まで出て、京王線下りで向かうのと、
国分寺から中央線、吉祥寺から京王井の頭線で向かうのとほぼ同時刻で到着するということで、好みが分かれるところなのかと思います。

行きは新宿経由で、帰りは国分寺経由で往復してみたのですが、乗り換えで歩くというところでは行きの方が大変でしたが、乗り換えの多さというところでは帰りの方が大変でした。
満員電車というところだと、西武新宿線で新宿(もしくは高田馬場)まで行くのは朝だと混むし長いのかなと考えられますし(でも座れる可能性も若干あるかな?)、中央線も相当混みますが(絶対座れません)そのかわりその時間は短めなのかと思います。

本当に好みが分かれる行き方だと思います。

日本学園にはジャングルジムからの進学者・受験例はなく、今回が説明会にも初めて参加させていただきました。

今回の説明会は定員が150名で、途中で募集打ち切りとなるほどの注目度でした。
やはり、明治大学の付属校になるというところが大きいです。

説明会は
1 校長挨拶
2 明治大学世田谷にむけて
3 明治大学世田谷の教育
4 入試について

という予定で行われました。

まず、校長の谷口先生のお話では

日本学園から明大世田谷にどのように変わっていくのか、またどこは変わらないのかについてのご説明がありました。

日本学園は140周年を迎え141年目から明大世田谷となるのですが、建学の精神である人格教育、「まずは生徒の得意を見つけてその個性を伸ばし、子どもの顔を上げてから苦手なものにもチャレンジさせていく」という、今まで大切にしていたところは変えずにしていくというところと、明治大学の付属になるにあたって、基礎学力と創発学の2つの力を伸ばしていくというとことを強調されていました。

創発学は、現在様々な学校で行っている探究学習と【体験に根ざしているか否か】で一線を画し、キャリア教育、国際理解教育、理数教育の3つを教育の柱としそれぞれに体験を伴わせることで豊かな人間力と知識を応用できる力を養っていくというものとなっています。

また、文系の生徒でもしっかりと理数教育をやっていくという方針で中学のうちから少しずつ理数を嫌いにならないようにしていく工夫をカリキュラムの中に配していくとのことです。

現在改修中の新校舎に高校生が入り、伝統のある現在の校舎は中学生が使用するそうです。

次に、教頭の高橋先生より明治大学世田谷にむけてというテーマでお話がありました。
今回定員いっぱいまで私含めて、塾の先生たちが説明会に参加したのはこの話を聞くためだったのかと思っています。

まず、共学化についてですが、中学の募集が120名、高校が160名で中学では男女同数になるように合格者を決め、高校では男女別の募集ではなく点数順で入学者を選抜するとのことです。

高校入学者が男女1:1と仮定した場合ですが、
令和8年度
高3 男子のみ
高2 男子のみ
高1 男子200名 女子80名
中3 男子のみ
中2 男子のみ
中1 男子60名、女子60名

令和9年度
高3 男子のみ
高2 男子200名 女子80名
高1 男子200名 女子80名
中3 男子のみ
中2 男子60名、女子60名
中1 男子60名、女子60名

令和10年度
高3 男子200名 女子80名
高2 男子200名 女子80名
高1 男子200名 女子80名
中3 男子60名、女子60名
中2 男子60名、女子60名
中1 男子60名、女子60名
☆ここで、全学年が共学化

令和11年度
高3 男子200名 女子80名
高2 男子200名 女子80名
高1 男子140名 女子140名
中3 男子60名、女子60名
中2 男子60名、女子60名
中1 男子60名、女子60名

と赤字で示した来年度の中1(現在の受験生)が進級していき、令和13年度に全校生の男女比が1:1に近づいていくのかなといったところです。

実は私も中高時代がちょうど法政大学中の共学化の過渡期だったので、女子の部活がどうなっていくかということであったり、新しく修学旅行をどうするかというところだったりで学校が慌ただしかったような記憶があります。
おそらくこの学校もしばらくはそうなるのかなと思います。

令和10年度(2028年度)より、明治大学の推薦権を卒業生の7割(約200名)が得られることを目指していくとのことですが、大学と協議中というのが現在伝えられるギリギリとのことでした。

他の明大付属校の明大進学率
明大明治  約9割
明大中野  約8割
明大八王子 約9割
ということを比較しても、明大八王子(当時は明大中野八王子)の一昔前の推薦率を考えると7割というのは高いか低いかといえば高いのではないかということができる反面、仮に7割だとしても残りの3割の生徒がどのような進路となるのか等は現在ではあまりわからないのかなとも考えられます。

積極的な他大学受験により推薦権が余った状態で、勉強をやめてしまったというごく一部の生徒を除けば“手を挙げればよほどのことがない限り明大には行ける”という状況であれば、明大進学を目指す層は、付属校らしいのんびりと受験にとらわれない学習・活動ということがいえるのかと思いますが、ただでさえ高い倍率・競争を勝ち抜いて同校に入学したらそれが予選でした、ここから約1.4倍、希望の学部ということだったらそれ以上の競争率の本戦に臨んで明治大学へ行きましょうということだと、大変になってくるだろうということも考える必要がありそうです。

ただ、大学付属校に入学するということはその大学に行けることのみが目的なのではなく、逆にどのような6年間を過ごせるのかというところに注目して学校選びをしている方がほとんどかと思いますので、仕組みやシステムのところよりも、明大世田谷がやろうとしている中身というところに注目していこうと私は感じました。

大学への進学条件はもちろんのこと、高校への進学条件も具体的に定まっていることと、学校の方針として「中学受験でつけることができた学習習慣を失わせないために1日1〜2時間の家庭学習を確保するための宿題を課していく」ということから、勉強があまり好きでなく、受験を1回で済ませるという動機のみで同校を選ぶとミスマッチにつながってしまうかもしれませんが、これは明大世田谷に限らず、大学付属校全体として“しっかり勉強させて大学に送る”ということはある程度は共通しているところなのかと思います。

指名補習や実力アップ講座などで、平均点付近にいない生徒に対してもしっかりとアプローチしていくといくところが情報推進部長の工藤先生のお話の中でも強調されていました。

最後に入試について、教務部長の石井先生よりお話がありました。

学校名が日本学園のままでも、2022年3月31日に明治大学との協定が締結され、2026年より明大付属世田谷と校名を変更・共学化する予定だという情報がリリースされ、具体的な学部ごとの推薦枠や推薦率、推薦基準等が明らかになっていないにも関わらず、模試の偏差値等が急上昇しました。

これは、2026年の高校受験で入学した生徒に明治大学の推薦権が用意されているはずなので、その際に内部進学で合流すれば…というところによる影響が大きかったものと考えられます。
私どももこのことは把握していたのですが、6〜8期生の進路面談等で同校が出てきたことはありませんでした。

首都圏模試の偏差値(80%-2/1入試)は
2022年 男子40
2023年 男子56
2024年 男子61
2025年 男子63
2026年(予想)男子64 女子64
と急上昇しています。

2026年度入試、明大世田谷としての初の入試は
2/1 第1回(男女計70名)
2/4 第2回(男女計50名)
の予定で行われ、男女が同数になるように合格者を選抜するので合格点が男女で異なることになるでしょう。

早慶GMARCHの大学付属校において、特に東京多摩地域、我々の塾がある所沢市は女子の枠が小さいという悩みがあるのですが、ここに通学可能圏内で男女同数の学校ができるということで、大学付属校の中学受験も変わってくるのではないかと予想されます。

特に、今年はサンデーショックにより立教女学院が2日に試験日程をずらすことが予想されるので、今までのデータ等が参考にならず、どこかに受験生が集中してしまったり、その逆があったりということが考えられます。

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