学校図鑑
2025.06.13
令和7年6月11日 吉祥女子中学校 塾対象説明会
令和7年6月11日 今日は東京都武蔵野市にあります吉祥女子中学校の塾対象説明会に参加してまいりました。
今日は上石神井駅からバスで向かいました。
JR中央線 西荻窪駅から向かうのと大きく時間は変わらないものと感じます。
この学校には現在3期生と5期生が通っています。
どちらも高校生となります。
今年の入試で8期生も合格を頂きましたが、他校に進学しております。
今日の説明会は
1 校長挨拶
2 本項の特色と入試について
に分けて行われておりました。
まず、校長の赤沼先生のご挨拶からです。
吉祥女子の特徴として、生徒たちが主体的に取り組む学校ですというところからお話が始まりました。
また、最近は失敗を恐れて消極的になってしまうことが多いと言われておりますが、吉祥女子では失敗しても大丈夫だからチャレンジしようという雰囲気が作られていることで、吉祥生は主体的に取り組み多くの成長を遂げているというお話には説得力がありました。
一昨年、高2の探究科目を増やし、各種コンクール等で受賞する同級生や先輩、後輩等から刺激を受け、学校全体がどんどんチャレンジしていこうという雰囲気が高まっているものと思われます。
大学附属校でも宗教系の学校でもない学校だからこそ、学校生活・進路等において多様性があるというお話には納得です。
次に学校案内について、広報部部長杉野先生からお話がありました。
ここから最後まで90分ノンストップでの大変有意義なお話でした。
一部、内部のデータ等もありましたので全ての公表は控えますがレポートします。
まずは今年度の入試の振り返りと来年度の入試についてです。
応募者数は年々増加しており昨年並みで第3回入試を2020年に廃止してから、第1回と第2回に受験生が集中している状況となります。
吉祥女子の志願者のパターンを大きくグループ分けをすると
①本校第一志望で2/1・2/2両方受験する
②2/1に御三家などを受験して2/2のみ受験する
③2/1に受験して合格した場合は2/2に豊島岡を受験する
④2/1に受験して、不合格だった場合は2/2を回避して他校を受験する
⑤2/1に他校を受験して、合格だった場合にチャレンジ校として2/2のみ受験する
というようなところで、一般的に2/2は上位校から生徒が受けてくるので難易度が跳ね上がるというものが言えるかと思います。
2025年には御三家との併願の受験者数が237名でその60%以上が合格していますので、男子校ですが本郷や桐朋の2/2入試のような厳しさというものはあるかと思います。
ただ、2/1入試で緊張してしまって自分の力を発揮できなかったといったところで2/2に再チャレンジをして例年50〜60人が復活合格を果たしています。
2025年入試から算数の出題形式を変更(記述問題を廃止、各大問の配点を均一化)がありましたが、この形式で2026年度入試以降もやっていくとのことです。
来年はサンデーショックですので、女子御三家の中で最も本校との併願関係が強くなっている女子学院の入試が2/2にずれます。
これにより第1回入試の出願が増え、第2回入試の出願が減ることが予想されます。
これを受けて吉祥女子では2026年度入試の募集人数を
2月1日 144名
2月2日 90名
として、2025年入試に比べて、1日を10名増やし2日を10名減らすという対応をしたとのことです。
これは第1志望の人に来て欲しいという学校からのメッセージと読み取ることができるのかと思います。
また、追加合格者は2回受験した受験生の中から選んでいくとのことで、補欠、繰り上げ候補者の発表はなく、いきなり電話がかかってくるという形となっております(連絡がつくまでかけ、順番を飛ばすことはないです)。
過去の追加合格については
2025年 23名
2024年 21名
2023年 9名
2022年 16名
2021年 23名
2020年 0名
ということで、年によって幅がありますが、熱望生が最後の最後で桜咲くということがあるのかなと思います。
吉祥女子と他校の併願関係について細かく見ていくと、先述した御三家、豊島岡との併願が多いのはそうなのですが、大学付属校との併願というのも少なくない数でありました。
進学校は進学校のみで受験スケジュールを立て、大学付属校はなるべく大学付属校…というようなイメージがあるかとは思いますが、大学進学のための中学受験というよりむしろ、中高6年の環境や取り組めることで学校選びをしていき、大学はその結果というような考え方のご家庭が増えてきているというのがあるのかなと思いました。
鷗友学園や山脇学園の併願関係が今年目立って増加したとのことです。
次は吉祥女子の特色についてのお話がありました。
ほぼ全員が大学入試を受験して次のステージへと巣立っていく進学校として、学業を当たり前としながら、さまざまな体験・経験・成長によって学校生活が形作られるとし、それを可能とするのは脈々と伝わる「校風」や「価値観」など目には見えない空気のようなものがあるとのお話でした。
そして吉祥女子で過ごす6年間として、
・自由闊達な空気・多様性を認める文化
・6年間でじっくりと物事を考えながら成長できる環境
・生徒同士で互いに刺激を与え合い、受け合いながらチャレンジできる空間、仲間との一体感
ということを挙げて説明してくださりました。
吉祥女子は「元気で明るい生徒」が多いというイメージがあるかもしれませんが、そのままの自分でいられる、そのままで周囲に認めてもらえるという安心感が学校に根付いていることで、小学生の時はあまり明るくなかったという生徒がどんどん自分らしく振る舞えるようになっていくというのは女子校ならではです。
生徒主体で学校行事などを運営し、本気で取り組んだからこそそこで得られる感動や一体感というのはとても大きいそうです。
一人ひとりの母校愛がとても強い学校だということで、大学や社会で活躍する卒業生も積極的に後輩たちに気づきを与えるきっかけというものもあり、それが進路選択や大学受験勉強へのモチベーションなどにも繋がっているというのは進学校の特徴です。
吉祥女子は進路選択の多様性を重視しており、現在は理系・文系・芸術系(美術)のクラスがあります。
近年は理系生徒の割合が大幅に増加してきており、2025年高3では文系92名、理系141名、芸術系8名、高2では文系94名、理系143名、芸術系4名ということで、理系がメインといってもいいかもしれません。
これは理科実験の機会がたくさんあったり、日々の授業や先輩の行っている研究などで刺激を受けることでそうなっているのかと予想します。
大学進学状況については
卒業生268名のうち
大学進学者が204名、海外大学進学準備者1名、進学準備者(浪人)63名ということで、浪人率は23.5%でした。
大学進学者204名の内訳としては
国公立大学57名
私立大学 147名
国公立大学57名の内訳としては
難関10大学 22名
医学部医学科 7名
となっております。
私立大学147名の内訳としては
早慶上理ICU 71名
GMARCH 31名
医学部医学科 3名
となっております。
この結果はいただいた資料「吉祥進学第181号」をもとに集計させていただきました。
説明会では進学実績について詳細な説明にあまり時間をかけず、学校の中身についてのお話がメインでした。