学校図鑑

2018.05.24

2018年5月24日 東洋英和女学院中学校 塾対象説明会

今日は、東京都港区にあります、東洋英和女学院の塾対象説明会に行ってまいりました。

西武線で練馬まで行き、都営大江戸線に乗り換えて、麻布十番駅を降り、ここから約5分歩いて鳥居坂を登ったところに東洋英和女学院はあります。

だいたい1時間と少しくらいで到着しました。

連続テレビ小説「花子とアン」にも登場した伝統校であります。

最初は中学部長の石澤 友康先生より、ご挨拶および教育方針についてのお話がありました。
まず、東洋英和女学院は現在教育内容のバージョンアップの最中にあるそうで、白百合や芝といった他校と英語の国際発表会を開いてアクティブな体験ができるようにしたり、読解力をつけさせるために読書指導などによって他者と向き合ってコトバを交わす実践を取っているそうです。
また、理数・情報教科については徹底した思考力を鍛え上げるとのことです。具体的には5階メディア教室を今年の夏に全面改装したり、海外留学支援室を設置し旅行会社に勤務していたスタッフを常駐させ、生徒たちの支援に万全の体制を取っているそうです。

また、『赤毛のアン』を翻訳して日本に初めて紹介した村岡花子さんは、東洋英和女学院の卒業生であり、今年で没後50年となるそうです。
没後50年となると、『赤毛のアン』の著作権が今年切れることになりますが、なんと、村岡花子さんは10年間学んだ母校東洋英和にその印税を寄付し続けていたそうです。

みなさんご存知の通り、東洋英和女学院は小学校から大学まであるキリスト教学校であり、女子校です。
東洋英和女学院では、キリスト教学校・女子校であるこだわりをずっと守っていき、男女別学であることを、性差を意識せずに個を磨き上げるために必要であるとしています。

石澤先生は、学校は心のふるさとであるとおっしゃっていて、都会育ちの子どもたちがずっと変わらない心のふるさとにいつでも帰ってこられる場所を守っていくとのことです。

次に教育内容と進学実績について、中学部長の野村 正宜先生よりいただきました。
まず、東洋英和の教育内容で特に先生が強調してらっしゃったことは、
・主体的評価(JAPAN e-Portfolio)への備え
・英語が強い
という2点についてでした。
主体的評価(JAPAN e-Portfolio)への備えについては、スタディサプリの活動メモに学びや活動の記録・振り返りのエビデンスを蓄積することで、それらが文字化され、文字化することで与えられる学びというものに生徒たちは気づくそうです。
また、文字化されている過去を振り返り、編集することで、自分の成長や進化がわかったり、自分の次のステップへの新たな決意や前向きな気持ちを持つことができたりと成果が出てきているようです。

また、英語が強いとのことですが具体的に中学3年生と高校2年生のGTEC(Basic)の点数の分布を見せていただきました。
中3の全国平均点が402点なのに対し、校内平均が528.2点と、また、高2の全国平均点が446点なのに対し、校内平均が616.0点と大きく差をつけていることがわかります。

また、2018年度卒業生176名の進学先ですが、国公立10名、早慶上理ICUが45名、GMARCHが28名、医学部が7名、海外大学が1名、その他の大学が24名(北里【薬】2名、昭和大2名、聖心女子大3名、東京女子大3名、東京歯大2名、東洋大2名、日大5名、日本女子大3名、学習院女子大2名、麻布大2名など)、東洋英和女学院大学が11名、進学準備は30名だったそうです。
小学校からの東洋英和という生徒さんもいらっしゃるため、もし小学校から東洋英和で、女子大に進学するとなると15年以上別学で学ぶということになるのですね。

また、指定校推薦は青山学院大学 8名、学習院大学 8名、北里大学(医・薬・獣) 5名、慶應義塾大学 5名、国際基督教大学 1名、上智大学 3名、聖マリアンナ医科大学 2名、中央大学 2名、津田塾大学 4名、東京女子大学 5名、東京女子医科大学 1名、東京薬科大学 3名、東京理科大学 1名、日本女子大学 1名、同志社大学 1名、明治大学 1名、明治薬科大学 1名、立教大学 3名、立命館大学 1名、早稲田大学 4名だそうです。

続いて、2018年度中学入試問題について、各教科の先生から題意の説明、正答率等のデータ、また受験生に求める力についてなどのお話がありました。

まず、算数について数学科の高橋希穂先生よりご説明いただきました。
算数の出題方針は①基本的な計算力②論理的に考え問題を整理する力③問題文を式や図に正確に表す力の3つで、その基本姿勢を元に出題されています。
構成は、計算問題、簡単な文章題(穴埋め)、面積、文章題(4題程度)、体積、グラフで、
特に面積、体積、グラフは必ず出題しているとのことです。

A日程とB日程のそれぞれの受験者平均点/合格者平均点は、
A日程が62.8点/72.4点、B日程が52.2点/68.7点でした。

A日程の問題を少し見てみましょう。

このような計算問題や、

このような基本問題はミスなく素早く解いていきたいものですね。

このようなマス目の絵の面積を求める平面図形の問題はよく出題されるそうで、昨年は鳥の絵でした。
東洋英和を受験するのであればしっかり過去問を勉強して慣れておくようにしておかなければなりませんね。

この大問の(1)は部分点ありの問題でした。
底面積を求め、高さの10をかければ体積が出るのですが、底面積だけ求めてしまって高さをかけるのを忘れてしまった受験生が多かったそうです。
しかし、この5点満点の(1)で
底面積を求める式が書けている→2点、体積を求める式が書けている→3点、底面積が求められた→4点と、かなり手厚く部分点がもらえています。
諦めて空欄としてしまうと他の受験生に差をつけられてしまうことになります。

そして、このように読解力を必要とする長めの問題文が書かれている問題についてはどのくらいの時間で正確に読み解けるか、文章からそれぞれの事柄とグラフの関係を捉えられているかがカギになるとのことです。
時間が45分であること、70%くらいの得点を取ることが求められていることを頭に入れて対策していきましょう。

続いて、国語について国語科の今井亮仁先生よりご説明いただきました。
国語の出題方針は、文章題によって①豊かな言語生活が送れているか。②読解力の背後にある「他者理解への深まり」がどれほどか、などを見ているそうです。

A日程とB日程のそれぞれの受験者平均点/合格者平均点は、
A日程が65.0点/75.1点、B日程が55.9点/66.1点でした。

記述問題を採点するにあたって、助詞がねじれている解答が気になったと先生おっしゃっていました。
助詞がねじれるとは、“助詞をねじれる”のように、助詞が正しく用いられていないために、なにを伝えたいのかわからなくなってしまうことですが、思いつくままに記述を書いてしまうのではなく、良く吟味して記述を書くようにしましょう。

また、漢字の書き取りの問題については、かなり厳しくはね、止め、はらいなどを見るようです。
どこの入試でもそうですが、細部まで正しく覚え、書かないといけません。
記述問題での漢字の間違いも既習の漢字の間違いは減点の対象になるそうです。

「できる問題」を優先に解くのではなく、順序に従って筋道をおさえながら解いてほしいとのことで、また、そのように問題を作成しているそうです。

続いて、社会について社会科の飯川 厚先生よりご説明いただきました。
社会の出題方針は、①基礎知識の確認②本文や設問の文章を読み解く力③資料を理解し、筋道を立てて考える力④社会に対する興味・関心だそうです。

A日程とB日程のそれぞれの受験者平均点/合格者平均点は、
A日程が67.0%/76.2%、B日程が66.8%/79.8%でした。
確実に高得点を取ることが求められています。

風景と地形図を結びつけるような問題や、文章や資料をもとに知識と結びつける問題や、論述問題などが毎年出題されています。
特に、知らないことも、その場で考えれば解けるように作問しているので、決して焦らず、これは何を意味しているのか?といった視点で問題文をよく読んで欲しいとのことでした。

最後に理科について、理科長舩 圭宏先生よりご説明いただきました。
理科の出題方針は、①基礎知識の力②問題文の読解力③筋道を立てて考える力④データを読み取る力だそうで、
実験・観察をもとにした問題が多いとのことでした。

理科の構成ですが、大問が4つで地学が少なめであり、問題の性質や難易度で傾斜配点となっているそうで、難易度が高い問題の配点が高くなっています。

A日程とB日程のそれぞれの受験者平均点/合格者平均点は、
A日程が63.5%/74.2%、B日程が57.8%/73.5%でした。
また、例年物理化学の得点率は皆高いようで、差がつく分野は生物だそうです。

学習のポイントで、生活経験からくる感覚に頼らず、問題文をよく読み与えられた条件などをもとにしてしっかり考えて答案を書いて欲しいとのことでした。

また、全体の入試結果はこのようになっています。

以前では7割以上取れていれば合格するでしょうといえたのが、最近はそうも言えなくなってきているそうです。

またB日程のみ受験した受験生123名の主な2/1受験先(推定)は、
双葉17名、女子学院15名、フェリス13名、頌栄11名、立教女学院10名、吉祥7名、香蘭7名、広尾5名、洗足5名、桜蔭3名、鴎友2名、横浜双葉2名、その他26名だそうです。
B日程での競争率はこのデータから見ても高そうです。

最後にコストパフォーマンスについて、コストが高いのは自覚しているが、どれだけのバリューがあるかについてこだわっていきたいとのお話がありました。
東洋英和で中高時代を過ごすことが後の人生において大きな価値になるのではないかなと思います。

説明会が終わった後、理科 長舩先生に校舎を案内していただきました。
荘厳な大講堂や、クラス単位の小さなチャペル。人工芝のグランドなどまさに私立だなという設備を見せていただきました。

生徒さんとよくすれ違ったのですが、皆さん笑顔で挨拶をしてくれて、素晴らしい学校だなと思いました。
また、購買部の自販機で、コーヒーが売っていなかったのが面白かったです。

向かい側にスヌーピーミュージアムがありました。
スヌーピーの大ファンなのですが、体調が良くなかったので寄らずにまっすぐ帰りました。

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