学校図鑑

2018.06.08

2018年6月8日 中央大学附属中学校・高等学校 塾・出版社等対象学校説明会

今日は、東京都小金井市にあります、中央大学附属中学校・高等学校の塾・出版社等対象学校説明会に2名で参加してきました。
西武新宿線小平駅からバスに乗って行きました。
この学校の説明会には昨年も参加させていただきました。

はじめに、校長の木川 裕一郎先生のお話がありました。
木川先生は、中央大学法学部の教授も兼任されており、究極の高大連携が可能であることがわかります。
大学が直接運営する附属校として、大学に入れば膨大な学びを完全に自分のものにしていかなければならないからこそ、大学に進む前に学問の楽しさを実感して欲しいとのことで、また、大学に入ってから求められる力、社会に出ていくために必要な力、社会に出てから必要とされる力を受検勉強にとらわれない学習環境で身につけてもらい、自由と自立が連動することによって、他者に言われてやるのではなく、自分で考え、行動する学生を育てていきたいとのことでした。

続いて、高校教頭の古澤先生より中央大学附属の学びとして特徴的な“教養総合”についての詳しい説明がありました。
中央大学附属では、中央大学の付属の学校として、受験科目にとらわれることなく全科目主義を基本とするカリキュラムを編成し、基礎学力の定着を図るとともに、多様化する社会への対応を図る教育を実践しています。
文理融合を新たに図り、領域横断・プロジェクト指向型の学校設定教科がこの“教養総合”です。
大学で学ぶ分野との関連を強く意識した授業内容となっており、大学での能動的な学びにいち早く対応できる学生を育てることが目的だそうです。
プレゼンや、映像技法など社会に出てから真っ先に使えるようなスキルを高校生のうちに楽しみながら学べることは、大きなアドバンテージなのではないかなと思います。

高校では制服が一切なく、頭髪規定もないことから、自由な学校であることは皆さんもご存知だと思います。
校舎ですれ違う生徒さんたちもイキイキと学校生活を楽しんでいる様子で、また先生たちも生徒を大人扱いしているなといった雰囲気を感じ取ることができました。
そして、中央大学附属では、中学では60冊、高校では100冊の課題図書が設定されています。
これはリーディングマラソンのようなものではなく、毎回の定期試験の試験範囲として、課題図書数冊が設定されているのです。
大学付属校にとっては、毎回の定期試験が大学入試のようなものなので中央大学に進学したいのであれば、また、希望する学部・学科に進学したいのであれば読まざるをえなくなります。
これは、“ほかの細かいことは言わないが、読書によって多様なものの見方を身につけなさいと”いった学校のメッセージです。
課題図書は、学校の売店にも売られています。

私は塾の先生ですので、「この本の中から入試問題が出てきたりするのかな」なんて思ってしまいます。
中大附属中の国語の問題文はたまに小学生には大人っぽすぎる内容の文章が出題されているため、この予感は当たっているのかもしれません。

読書習慣のない生徒はこの課題図書に戸惑い、試験に出るからと仕方なく読み始めるそうなのですが、だんだんと、読書が息抜きになり、また学年が上がってくるにつれてその読書が趣味になるといったお話には、胸を打たれました。
“本を読んで教養を身につけることを楽しいと思えるようになる”能力は人生でも大きな財産なのではないかなと思います。

次に、入試広報副委員長の堀口先生より、進学状況と入試についての説明がありました。
まず進学状況ですが、今年の中央大学への推薦進学率は83%でした。
もちろん、一番人気は法学部・法律学科です。
法学部・法律学科には70の推薦枠があり、卒業生が約400名であることと、他大学を受験し中央大学以外の難関大学に進学する生徒が約15%ほどいることから、やるべきことをちゃんとやっていれば学校生活を十分に楽しみながら推薦を目指すことができます。

他大学には、一般受験やAO入試、指定校推薦にて受験していきます。
国公立大学には9名が、慶応義塾大学には5名が、早稲田大学には4名が、上智大学には14名がそれぞれ進学しています。
特筆すべきことは、国公立大学に進学した9名中7名、慶応義塾大学に進学した5名全員、早稲田大学に進学した4名中3名、上智大学に進学した14名中10名が中学受験を経て入学した内進生であることです。

入試についてですが受験生の増加や、最近の傾向である大学付属校人気によって応募者が右肩上りとなっており、過去5年で初めて合計での倍率が4倍を越しました。
受験者も2年前に比べて男女ともに100名以上増えており、厳しい入試になっていると思います。
また、2月1日に不合格だった受験生が4日の第2回入試で復活合格する割合が例年30〜50%であるのに対して、今年の入試は女子は41人中13人と(31.7%)と例年並みだったのですが、男子が41人中4名(9.3%)と非常に厳しい入試でした。

これは、この春入学した中1への「中大附属が第一志望でしたか?」というアンケートに対して、第一志望だと答えた生徒が57.4%、他の私立中学校が第一志望と答えた生徒が39.6%であったということからも、早稲田実業や明大明治など他の付属校に落ちて中大附属に入った生徒が多いとわかります。
だとすれば、やはり相当2月4日の入試は難しいのかなと思います。

具体的な出題方針や正答率などのデータを細かく分析し過去問対策を十分に行うことによって、中大附属を第一志望としている受験生はもちろんの事ですが、他の学校を第一志望としている受験生とも戦っていくことが必至だと思います。

最後に、入試広報委員会副委員長の堀口先生と個別にお話をさせていただく機会を得ました。
附属ブームが永遠に続くと考えずに、教育方針にさらなる磨きをかけることで、大学附属校であることはオマケだと思ってもらえるような魅力ある学校にしていきたいという熱いメッセージをいただきました。

私たちも○○中△名!、〇〇中に入れたら〇〇大に入れる!といった表面的なものの見方をせずに、本当になりたい自分に出会うためのいろいろな登り方(人生の歩み方)をお手伝いしようというジャングルジムの理念を再確認した説明会でもありました。

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