学校図鑑

2023.09.26

令和5年 6月27日 明治大学付属明治中学校 塾対象説明会

今日は東京都調布市にあります明治大学付属明治中学校の塾対象説明会に参加してまいりました。

JR中央線三鷹駅よりスクールバスに乗り、そこから約25分で到着しました。

実は私はこの学校に行くのは今年2回目となります。
1回目は2月3日の中学第2回入試の朝でした。
そのころはとても寒かったのですが、今日はかなり蒸し暑くなっていました。

ジャングルジムからは4期生と6期生から1名ずつの合格がありましたが、進学者はまだ1名もおりません。

最初は「直属付属校の使命」というテーマで校長の井家上先生よりご挨拶とご説明がありました。

今年の4月から校長となった井家上先生は明治大学理工学部の教授も兼任しています。
また、井家上先生も明治高校→明治大学ということで、OBということとなります。

明治中学校は
1912年に旧制明治中学として開校
2008年に神田猿楽町から現在の調布に移転し共学化する(それまでは男子校でした)
2012年に創立100周年
という歴史があります。

明治大学唯一の直系付属校ということで、推薦基準を満たした高校3年生全員が明治大学10学部にほぼ第一志望で進学か可能な第一志望中心主義というものが他の付属校との大きな違いとなっています。
また、明治大学の推薦権を確保しながら国公立大学や一部の私立大学に併願が可能となっていることも特徴です。

大学の教授が校長を兼任することで、常に大学が求める人材というものを意識したカリキュラム・授業が展開されています。
明治中学・高等学校では“徹底した基礎学力(全教科)”の強化ということを中心に据えていて、大学教育で必要とされる、問題解決能力であったり専門性の確立というものに必要となってくるのは全教科の学習と理解であり、部分的な知識の欠損というものがあっては大学で活躍することが難しいというお話には、実際に大学で学生の前で講義をなさっている先生だからこその説得力にあふれていました。

実際に明治高校から明治大学へと進学した学生は、各学部の学部総代や学部長表彰などを複数受賞するなどまさに明治大学の中核を担う人材として活躍されているようです。

また、就職支援も同窓会である「総明会」が中心となって明治高校出身の企業人や就活経験者が後輩である明治高校出身の明治大学3年生に様々な就職サポートを展開しているとのことです。
大学でのつながりというものよりも中高のつながりの方が強固であるということから、この就職サポートはとても心強い仕組みであるように思います。

付属校であるが、大学に入れるための教育ではなく、大学学部・大学院・社会人として第一線で活躍できる人材の育成を明治大学付属明治中学校・高等学校では行っています。

次に中学校・高校の教頭先生より具体的な教育内容についてのお話がありました。

校長先生がおっしゃっていたように基礎学力の定着というものに主眼をおいたものとなっていましたが、印象的であったことについては、学校の雰囲気として、「ガツガツしている子が少なく競争しない雰囲気」というお話でした。
卒業生全員がこの学部を第一志望としますというような極端な例外を除いては、一定の成績を満たせば全員が明治大学の第一志望の学部へと進学できるので、校内で順位を争う必要がありません。
ですので、試験前などでは得意な生徒が苦手な生徒に勉強を教えているという場面であったり、成績不振者は部活動が制限されてしまうという仕組みもあることから、先輩から後輩、またはチームメイト同士でチームになって定期試験を乗り越えていこうというような雰囲気となっているとのことです。

また、英語で行う中3・高1のスピーチコンテストや高2・高3のプレゼンテーションコンテストでは、優勝者は同窓会から集まっているお金で海外研修をプレゼントされるということであったり、成績優秀者には高3の3学期にヨーク大学の3ヶ月の研修が贈られるとのことです。

高校へ進学する基準の一つとして英検準2級の1次試験までの合格が必要であったり、高校から大学へと推薦される一つの基準として英検2級の合格が必要であったりと高いレベルが要求されていますが、小学生のうちに英語をやっていない生徒が大半でありながら、毎年ほぼ100%の生徒が達成しているとのことですので、入試を突破する学力があれば大丈夫とのことです。

最後に入試に広報主任の先生よりお話がありました。

明大明治の説明会に参加する前に、法政大学と中大附属のオンライン説明会にも参加していましたので、今年の大学付属校の入試がどのようなものであったかということが大体見えてきました。

まずは志願者の推移ですが、大学付属校は明大明治をはじめ、法政大学、中大附属、明大中野八王子でも受験者は前年よりも減っています。
明大明治の受験者が増えなかった理由に明治大学の系属校と今後なる日本学園の台頭はそこまで関係がないかとは思いますので、全体的に付属校人気が落ち着いたのかといったことが言えるかと思います。(それまでが高すぎたのです)

合格最低点についてはこのようになっています。
男女同数を募集するようになっても、女子の方が10点ほど高くなっています。
ここでの10点の差は算数1問分よりも高い点数となりますので、女子にとってはさらに難関となるかと思います。

国語についてはこのようになっています。
漢字と知識の問題で失点するようだとその分を国語内でリカバリーするのがとても難しい文章題となっています。
漢字と知識と接続語などの基礎点をしっかり確保しておけばあとは流れに乗っていくとそこまで周りから差をつけられてしまう点数は取らないかと思います。

算数はこのようになっています。
難問ですが奇問は出題されないということと文章題の比率が高くなっていることが特徴です。
また、考え方を書く問題が多く、部分点もつく問題となっています。
もちろん一番合格者と不合格者の差がつきやすい科目となっていますが、特筆するべきは第1回の10点台・20点台からも合格者がいて、逆に90点台・満点でも不合格者がいるというデータです。
試験中に失敗してしまった!と思ってもそこでめげずに他教科でひっくり返せることがあるんだということをジャングルジム生たちにも言っていきたいと思います。

第2回入試は40点未満は全員残念な結果になっていて、80点以上とったらほぼ合格ということとなっています。

理科社会は75点満点で4科目の合計点に占める理社の割合が高くなっています。
基礎的な問題が多く出題されていると理科担当が言っていました。
(すみません、私は理科はほんとにわからないのです、、、)

4科目の中で一番綺麗に合否が分かれていたのが社会ということとなりました。
社会科担当として身が引き締まる思いです。
この学校の社会は地理がトップレベルに難しく、私はこの学校の社会を楽々突破できることを目指して小4と小5前半の地理のカリキュラムを作っています。

これは偏差値別の受験者です。
例えば第1回入試の受験者は11月の模試で
○男子 
偏差値50〜54→20%
偏差値55〜60→23%
偏差値60〜  →32%
その他→25%
○女子 
偏差値50〜54→24%
偏差値55〜60→25%
偏差値60〜  →33%
その他→18%
ということとなります。

模試での偏差値と入試問題の相性というものもあるかと思いますが(例えば合不合判定テストの算数は50分で25問なのに対し、明治中の算数は50分で15問です)だいたい4教科で偏差値55くらいをとれている状態で過去問対策に移っていくのがいいのかなといったところです。

第一志望率はこのようになっています。
男子ですと2月1日の早稲田実業や早大学院の入試の翌日に明大明治という併願がとても多くなっています。
早稲田実業と早大学院の合格発表は2月3日ですので、明大明治(1回入試)の合格の方を先に知るということとなります。
また、立教新座も男子ではよくこの2校と“セット”として併願していくのですが、立教新座の入学金等の納入期限は明大明治の第1回の合格発表前ということとなります。

女子は早稲田実業の枠が男子に比べて小さいという点と早大学院や早稲田といった男子校がないということからか第一志望率が高くなっています。

志望校動向については、男女とも進学校の翌日に受けているということも読み取れます。
これは、あまりこの辺ではない併願ですので少し意外に思いましたが、明治大学の推薦権を留保しながら他大学にチャレンジできるということや、学部学科が基本的に第一志望で進学できる(大学入学後のミスマッチが少ない)という仕組みや校風からも、何がなんでも進学校/付属校となっていない併願もあるのかなと思います。

実は私もこの学校に入りたくて中学受験をやっていました。(憧れ校は早稲田実業だったのですが、受験することはありませんでした)
もし、合格できていたら最後の男子校の世代だったということとなるのですが、結果は残念で最初の共学校の世代となりました。

どうしても母校と比較しながら説明会を聞いていましたが、どちらもいい学校だと思います。
ジャングルジム生でこの2校を両方受かって選べるという状況となって生徒はまだいませんので、そのような生徒を輩出できるよう、こちらも研鑽していかなければと感じました。

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